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中医診断学・A型問題(1)

1.望神で重点的に観察するのはどれか?

A. 言葉
B. 動作
C. 眼光
D. 表情
E. 呼吸

解答と解説

 東洋医学の診察方法は、望診・聞診・問診・切診の四つに大別することができます。

  • 四診法 = 望診・聞診・問診・切診

 このうち望診とは、『黄帝内経』にもあるように、「望んでこれを知る、これを神という」、つまり患者さんを視覚によって客観的に観察することを言います。

 では、望診では何を見るのかというと、望診はさらに神、色、形、態の四つに大きく分類できます。細かくはさらに部位別に分かれますが、大きく言うとこの四つになります。

  • 望診 = 望神・望面色・望形態

 この設問の「望神」は、望診の四つの分類の最初になるわけですが、ここでいう神とは、生命力のことです。極端な物言いをすれば、命に別条がないか、ということであります。よく、元気がない人、今にも死にそうな人のことを、「生気がない」とか、「覇気がない」といいますが、人から発せられる生命力の有り無しを診るのが望診であります。

  • 神 = 生命力 = 生気がある、覇気がある

 このような観点から選択肢を見てみます。

 そうすると、いずれの選択肢も望神であることがわかります・・・。

 “言語が明瞭で、動作も機敏、眼に力があり、表情も豊か、そして呼吸が安定している”というのは、有神(生命力がある)ということなので、「A.言葉」「B. 動作」「C. 眼光」「D. 表情」「E. 呼吸」、いずれも望神の一部ということになる。

 そこで設問をもう一度見てみよう。
 「重点的に観察する」とある。

 つまり、ここで問われているのは、“A~Eの望神のうち、どれが一番重要か?”といことである。

 そう考えてみると、この設問は、“とにかくこれがあれば生きることができる!”という、“最も基本になる生命力の指標はどれか?”と言い換えることができる。

 そこでさらに考えてみる。

 “言葉が出せないほど弱っている”、“動作がぎこちない”、“表情がない”、“呼吸が絶え絶えである”という状況であっても、“目に力がある”という条件があれば、治療をすれば生きる見込みがある”と言える。目は五臓の精気が現れるところだから、目に力が残っていれば、生命力が残っていることの証となる。

 ということで、生命力の有無を確認するために、最も重要なところは「C. 眼光」ということになる。

参考資料

東洋医学の用語集

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この問題の解説者

源保堂鍼灸院・薬戸金堂 瀬戸郁保 鍼灸師・国際中医師

瀬戸郁保
IKUYASU SETO

鍼灸師・国際中医師

東京の表参道で源保堂鍼灸院、漢方薬店・薬戸金堂を営んでいます。東洋医学らしい鍼灸、東洋医学に沿った漢方薬の処方を追究しています。身近なところから、そして世界の人々が今よりも健康で、しあわせになることが目標です。

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