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中薬学・A型問題(1)

1.甘味の効能ではないのはどれか?

A.  滋補
B.  調和
C.  散寒
D.  緩急
E.  解毒

解答と解説

 この問題は難しいというのか、迷うところであります。
 というのは、選択肢を見ていって、答えの候補になる(甘味の効能ではないもの)のは、「C.散寒」と「E.解毒」に絞られます。しかしここで考えすぎてしまって、この二つの選択肢のうち果たしてどちらを選べば良いかと迷いはじめると深みにはまる問題です。

 まず「E.解毒」です。
 解毒というと、積極的に毒を外に吐き出すようなイメージを抱いてしまうので、軟らかいイメージがある甘味には合わないように感じます。なので、目に入った瞬間に、反射的に「E.解毒」を選んでしまう人もいるかもしれません。
 しかし、ここでいう「E.解毒」は、積極的な毒出しというよりは、諸薬調和というものと理解しておくと良いと思います。
 諸薬調和の代表と言えば甘草でありますが、諸薬調和には、それぞれの生薬が強くぶつかり合わないようにする作用が含まれますが、これは言わば、諸薬の毒性を緩和するという側面がありますので、そういった意味で、諸薬調和は一つの解毒作用と言えるものです。よって、「E.解毒」も甘味の効能として捉えても良さそう、ということになります。

 次に「C.散寒」ですが、これは明らかに甘味にはない効能なので、こちらは危なげなく答えになります。

 最初に「C.散寒」に目が向けば大したことがない問題なのですが、「E.解毒」を見てしまうと早合点してしまいそうな、そういう点では迷う問題です。

五味ついての詳しい解説はこちらから

参考資料

東洋医学の用語集

鍼灸・漢方薬・薬膳など、東洋医学や中医学の用語を解説したサイト
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東洋医学・中医学をこよなく愛する方のために

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この問題の解説者

源保堂鍼灸院・薬戸金堂 瀬戸郁保 鍼灸師・国際中医師

瀬戸郁保
IKUYASU SETO

鍼灸師・国際中医師

東京の表参道で源保堂鍼灸院、漢方薬店・薬戸金堂を営んでいます。東洋医学らしい鍼灸、東洋医学に沿った漢方薬の処方を追究しています。身近なところから、そして世界の人々が今よりも健康で、しあわせになることが目標です。

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